全身麻酔法と通常の歯科麻酔(静脈内鎮静法)との違い
歯科治療では一般的に、注射による局所麻酔や、静脈内鎮静法が用いられています。こちらでは兵庫県姫路市、森本歯科医院・全身麻酔歯科治療が行う全身麻酔法と、静脈内鎮静法の違いをご紹介します。
全身麻酔法と静脈内鎮静法との違い
全身麻酔法と静脈内鎮静法は、どちらも治療時間が長く必要な場合、また外科処置によって患者さんへの負担が大きいと予想される場合のほか、嘔吐反射や歯科治療への恐怖心が強い方など、事情をお持ちの方に用いる麻酔法です。しかしこの2つには次のような違いがあるのです。
それぞれの治療方法は?
静脈内鎮静法とは?
専門の麻酔医の立ち会いのもと、点滴によって小量の全身麻酔薬・抗不安薬を投与し、少しウトウトしリラックスした状態になってから治療を行う方法です。完全に眠ってしまうことはなく、治療中に会話することもでき、お口の中の局所麻酔と併用することでスムーズに治療を進めることができます。1時間程度の治療が可能です。
血圧や心拍数、心電図、酸素飽和度など全身状態をモニタリングしながら、万が一それらが変化したときにも対応できる体制を整えたうえで行います。
全身麻酔法とは?
専門の麻酔医の立ち会いのもと、点滴によって静脈内に全身麻酔薬を投与し、完全に眠った状態にして治療を行う方法です。痛みや不快感などがまったくないままで、2~3時間程度の治療を行うことができます。
全身麻酔中には呼吸が弱くなるため、気管にチューブを入れて人工呼吸を行うとともに、血圧や心拍数、心電図、酸素飽和度など全身状態をモニタリングしながら、万が一それらが変化したときにも対応できる体制を整えることが必要です。
- メリットで比較
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静脈内鎮静法 - すぐにウトウトした状態になり、治療への恐怖心を軽減できる
- 1時間程度の比較的短時間の処置を行うのに適している
- 治療中に会話が可能
- 治療中の痛みや不快感などの記憶が残らないこともある
全身麻酔法 - 完全に意識のない状態になり、体も動かないため安全に治療が行える
- 3時間程度継続でき、静脈内鎮静法の2~3回分の治療が可能
- 治療中の痛みや不快感などの記憶が残らない
治療時間が短い方、治療への不安が比較的弱い方には静脈内鎮静法を、それに対し治療時間が長く必要な方、治療への不安がより強い方には全身麻酔法が適しているといえます。
- デメリットで比較
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静脈内鎮静法 - 効果に個人差があり、十分な処置が行えないケースがある
- 治療時間が長くかかるケースでは、複数回に分けることが必要
- 治療前の絶飲食、治療後の安静が必要
全身麻酔法 - 事前に全身状態の検査(胸部レントゲン、心電図、血液検査など)が必要
- 治療前の絶飲食、治療後の安静が必要
- 気管内にチューブを入れるため、術後、喉に違和感または、痛みが生じることがある。
- 治療終了後から帰宅までの時間が長い
- 費用がかかる
- 重度の全身疾患をお持ちの場合、行えないことがある。
全身麻酔法には費用がかかりますが、静脈内鎮静法が適用できない恐怖心、えずきが強い方や障がいをお持ちの方にも対応が可能であるなど、様々なメリットがあります。患者さんのご事情やご希望などを十分にふまえ、適した方法を選ぶことが必要です。
- 治療日程で比較
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静脈内鎮静法 - 毎日行えます。
全身麻酔法 - 月に10日程度行えます。
- 1日につきオペ時間を、9:00~、11:00~、13:00~の3回設けています。
全身麻酔法は、専門の麻酔医が来院する曜日にかぎられますが、1日に3回のオペを行うことができますので、大学病院と比べ、患者さんのご都合に合わせてご予約をとっていただきやすいといえます。